みなさんこんにちわ。
カフェママが気になる人とおしゃべりする企画「憲子の部屋」をおおくりします。
今回は、前回に引き続き、
豊田市で初めてフリースクールを設立した熱い男、信田雄一郎さん!
彼の目指す「教育」とは?
今回はさらに、信田さんが教育者になったきっかけ、
彼にとっての幸せについてまで、聞いてみましょう!
ぜひご覧下さい!
前編のおさらい
ゲストは前回にひきつづき、信田雄一郎さんです!
今回もお願いします!
【前回のおさらい】
豊田市で初となるフリースクール「Tao haus」を設立した信田雄一郎さん。 前回は、
についてお話頂きました。 私、カフェママ自身にも、「古い教育観にアップデートが必要」という事で、ショックを受けています〜。 くわしくは、こちらの前回コラムを見てね↓
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ニュージーランドの教育は日本と真逆
個人の自由。ニュージーランドの学生生活
カフェママ:
はぁ〜日本と比べて、ニュージーランド学校では、
子供が「自ら学び方を選べる仕組み」が整ってるみたいですね。
日本人の親としては、ちょっと不安を抱いちゃうかもしれないけど、
肝心の子供は、どんな気持ちなのかしらね?
信田さん:
むこうで、日本で7年暮らし、日本の小学校を出て、ニュージーランドへ来たという高卒と高1の姉弟に会って 「今思うと日本の学校はすごい苦しかった。 こっちに来て、高校生活は、1日中、美術室で絵を描いてる。 数学は受けてないですね、絵好きなんで。」って。
「単位とかないの?」と聞いたら 「卒業できるし。たまに数学の授業へ行ったら「よく来た」ってほめられる。 スポーツフェスティバルとかは、リーダーとかしてエンジョイしてる。」って。
13歳14歳でバイトしながら家の手伝いとかもしてる子もいるし、 学校行かなくても、そういう事やってるから充実してるし、自立心がある。 |
カフェママ:
なるほど。子どもとしては、
自分で考えて自分で決めて行動しているから、自信もやる気もあるのかもね〜。
親の視点で、学校に言われた通りやってないから「だめ」なのではなく、
子ども自身が、自分の生き方を自分で選ぶ。
また、それを尊重するニュージーランドの教育の柔軟さに考えさせられるわね。
「家で学ぶ」事をも選べる教育体制
カフェママ:
ニュージーランドには不登校の子はいるの?
信田さん:
いないかって言ったら、いるんですけど、 ある男の子が「家のが、はかどるから、そっち選びます」と言えば、 「ホ―ムエデュケーション」のプログラムが国で用意されてて、 それ用の教科書も家へ届いて、なおかつ、集まってやる体育や音楽とかは、 家で勉強してる子用の授業っていうのも用意されてる。
だから、学校に行けなくなった落ちこぼれっていうのではなくて、 「僕は家で学ぶのがあってる」って自主的に選んでる。 |
カフェママ:
なんということでしょう!
「学校へ行かない選択」までも尊重されるの!?
日本の先生行かせますか~ニュージーランドにみんな交代で!
懇切丁寧で本当に大丈夫?「木の棚を作る授業」の違い
カフェママ:
ニュージーランドは、親も“子供の自立心の尊重”っていうか、
子供を子供としてじゃなく見てるという風潮もあるのかな?
信田さん:
それはすごくあると思いますね。 子ども扱いしてないというか。
日本から短期留学に来てる、中3の男の子が言ってたんですけど、
「木の棚を作る授業」とかあると、 日本の学校では、説明書が用意されてたり、 こう作りなさいというゴール設定があって、 ズレていくと良くないってのがあるけど、
ニュージーランドは木工室で、木とかがバーッて置いてあって、 「なんか作って下さい。以上。」 …アバウトすぎ! |
カフェママ:
日本はマニュアル通りにやった人が100点なのに…
信田さん:
日本は、懇切丁寧だから、やることは分かる。 ニュージーランドはアバウトすぎて分かんないけど、
本来は、何を作るという所から自分で考えて、 その構造物はどうすれば、どういう手順で作るかを 自分の頭で考えるべき。
だから日本の中3は言われないと作れないけど、 ニュージーランドの中3は自分で設計から何から何まで任されてる、 どんな変なものができても自己責任。 |
カフェママ:
日本の学校って親切すぎて人をダメにしてるかも。
子どもから、考える力を奪っちゃてますよね~。
私達の世代が受けてきた教育は、「みんな一緒に、平均的になんでもそこそこに出来る」が正解だった。
私達が生きた経済成長期のたくさんモノを作る時代だったらよかったのかもしれない。
だけど
これからの子ども達は、平均的という言葉は捨てて、
もっと自主的に、もっとクリエイティブに、生きていかなきゃいけない。
それには、
学び方がみんな一律なのは、ふさわしくないかもしれないわね。
それに気がついている先生達がいるけど、学校の教育現場はなかなか変えられない。
親も、子ども達を信じて、本人達に任せる勇気が必要ね!
信田さんが先生になると決めたキッカケは教育実習最終日
カフェママ:
いやぁ~ほんとにアツい教育者だわ~!
天職っていうの〜?
そういえば、そもそも
信田さんが、教員になったきっかけはなんだったの?
信田さん:
・・・「ドラマ」があったんですよ。 |
カフェママ:
あらなに聞きたい!
信田さん:
僕は大学に入った時点では、教育学部でもなかったので、教員になるつもりはなかったんですよ。
でも、2年に上がる時、このまま卒業しても得られる資格って大卒しかないなって思って、 今更取れる資格って何があんのかなって調べたら教員免許が残されていたんで、 数学の教員免許を、一応資格として、取っておこうってことで単位とりはじめました。
4年になる時点では就活もしてたんですよ。 一応就活の一環で、「教育実習」と「教員採用試験」もしておこうみたいな感じで。
教育実習へ行った時に、 「担当の先生と中学校2年生のクラスの子たちに就活してます」って言うと、すごい失礼なので 「教師になるのが夢です」と宣言して、3週間、僕なりにすごいがんばったんです。
そしたら、最終日にお別れ会をしてくれて、 その時のクラスの男の子が、泣きながら手紙を読んでくれたんですけど、 中2の男の子がですよ!
「僕は将来「プロ野球選手になる」という夢をかなえます。 なので、先生も「本当の先生になるという夢」を叶えて下さい。 そして来年、僕たちは3年生となるので、またこの中学校に本物の先生になって戻ってきて下さい」
僕がそこで何を思ったかと言うと、 こんな中2の男の子が泣きながら手紙を呼んでくれる、 こんな感動の場面に出会うなんて、つゆぞ思っていなかった。 こんなに思ってくれるような、感動できるような場面、この仕事にだったら人生掛けてもいいなって思って… 就活はその瞬間に全部やめて。 教員採用試験も1か月後くらいに受かって、教員になったんです。 |
カフェママ:
あら〜素敵。。
信田さん:
この話には続きがあって… |
カフェママ:
えーーーーー!!!なになにー!?
信田さん:
翌年、教員1年目で、実習校とは違う学校になっちゃったので、その子たちと関わることは一切なくて、 さらに次の年の2年目、野球部の監督になってたので、実習校に練習試合に行ったんですよ。
2年ぶりに行ったから、 「ああ2年前に実習来たなあ」ってかんじで、 「でもあの子たち卒業したからおらんなぁ」と思いつつ、 2試合やって帰ろうとしたんですよ。
そしたら、泣きながら手紙を読んでた子が現れて、
それは、その子の家がグラウンドのすぐ横にあって、2階の部屋から見たら、野球部の試合やってたから、ちょっと試合見に行こうかと思ったら、相手チームの先生、あの人だ!ってなって・・・ 僕に、「お世話になりました」って、わざわざあいさつに来てくれて。
「ほんとに夢かなえたんですね」って言ってくれて。 「僕は高校で今、甲子園目指してます」って。
2年前そんなこと言ってたこと覚えてるってのもすごいですし、 たかが3週間きた実習生に泣きながら手紙読むとか、 なんかもう、その子との出会いがあったから教師になったし、 2年後になって教師になってよかったなって。 |
カフェママ:
ううう…感動ですね。それだけで教師になってよかったって思いますよね〜。
信田さん:
めちゃくちゃ良いやつ。そんな人いないっすよ。なかなか出会えない。
そういう出会いによって自分が教員になったし、 彼に合ってなかったら普通に就活して終わってたんじゃないですかね。 |
信田さんの幸せとは?
カフェママ:
さて、やっぱりこれを聞いておかなくっちゃ!
これは憲子の部屋オリジナルの質問よ!
信田さんはどんな時に「しあわせ~」って感じますか?
信田さん:
「良い人たちとおいしいもの食べてたらだいたい人生しあわせ」みたいな感覚はあって、 でも、その「良い人」ってのが肝だと思ってて、 良い人とはなかなか出会えない…本当に、良い人にはなかなか出会えない。 |
カフェママ:
良い人っていうのは?尊敬?
信田さん:
尊敬ですね。
「良い人」ってのは本質を追求しつつ、深い部分で応援しあえたりする人…
人と会ってるときって、「この人のここが好き」「ここが尊敬できる」って関係性ってすごく気持ちが良いですよね。 お互いにですけどね。自分もそこを学びたいって思いながら。
さっきの教育実習の時のM君。 本当にM君って「良い子」だなぁ~と思うし。 ↓noteにも書いてあるんで読んでほしいです。
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インタビューを終えて
数ある道から正解の道を選ぶのではない。選んだ道を、己の力で正解のものとして創造するのだ。
信田さんのnoteに書いてあった、この言葉が、
私の胸に焼き付いています。
この言葉は、彼が学生時代の失敗体験から導きだした答えであり、
彼が23~24歳くらいの教員時に、進路に悩む生徒さんに伝えていたメッセージ。
その生徒さんが成人し、信田さんと再開した時、
「先生の言葉を心の支えにしていた。」と告げられたのだそうです。
信田さんは、
「今、その言葉がブーメランのように返ってきている。」
と言われました。
今、信田さんが、まさに、
「選んだ道を正解にするんだ!Tao Hausを「正解」にして行くんだ。」
「確固たる自信があるんだ!」
という姿を見て熱くなりました。
信田さんに初めてお会いした時に、
なんてキラキラ、ガツガツした若者なんだろうと思いましたが、
インタビューを終えて、やはりキラキラ、ガツガツとした印象です。
キラキラなのは、自分を信じた道を正解にするべく突き進んでいるから。
ガツガツなのは、自分のやりたい事が次から次に見えてくるから。
信田さんがこれからTao Hausでどんな活動をしていくのか?
どういう風に展開されていくのか
楽しみでなりません。
↓信田さんについてもっと知りたい方は、こちらをチェック!↓
信田さんのnote:https://note.com/nobuta314 |
今回のまとめ
今回は、
- ニュージーランドの教育を受けている子どもの様子、
- そもそも彼がこのアツい教育者になったきっかけ、
- 彼にとっての「幸せ」
について、おおくりしました。
次回の「憲子の部屋」もお楽しみに〜!
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インタビューを聞いた人 野々山憲子(カフェママ) カフェドシェフ共同経営者 経理・営業を担当 パティシエ ホールスタッフ 高校卒業後、阪神百貨店入社(現阪急阪神百貨店)。7年間婦人服売り場で勤務。その後、カフェドシェフ開店。共同経営者となる。 鹿児島県生まれ
保有資格等 調理師/手作りパン研究普及会製パン技能専科修了/簿記一級/着付け着装師補
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イラスト・編集:ともりん
参考:信田さんのnote:https://note.com/nobuta314