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トップ > コラム一覧 > 【イラスト図解】サイフォン式コーヒー徹底解説!

こんにちわ!深煎りコーヒーにこだわり30年の喫茶店、カフェママの野々山のりこです。

サイフォン式コーヒーって、

「レトロで、どこか実験室的な雰囲気が、なんだかロマンチック~」

でも、

「それ以上はよく知らない」

という方も、いらっしゃるのではないでしょうか?

ということで今回は、

サイフォン式の、しくみ、味わい、歴史などについて

とことんご紹介します!

サイフォン式コーヒーとは

 

サイフォンコーヒーとは、

見る人を、ちょっとノスタルジックな気分にさせる、

蒸気圧を利用して淹れたコーヒー。

 

実験室のようなガラスの器具の中で、

液体が上下し、コーヒー粉がかき混ぜられる様は

レトロな喫茶店の空間に、ワクワク感を添えます。

 

 

でもこの「サイフォン」、
なんだかよくわからないんだよね〜
常連客Yさん
常連客Yさん

多くの方がそう思ってると思います!

今回は、そんなサイフォン式についてご紹介しましょう!

 

 

サイフォン式のしくみ

 

 

サイフォン式抽出器具のかたちって実験器具みたいですが、

ここで何が起こってるのか!?

まずは、サイフォン式抽出のしくみをご覧ください。

 

 

サイフォン式コーヒー抽出のしくみ

  1. 水の入った下のフラスコを加熱します。すると、水は沸騰して、気体に変化。フラスコ内部の気体の量が増えて、圧力が高くなり、温まった液体の水を上へ押し上げます。
  2. そして、上部にあったコーヒー粉が、お湯に浸たり、コーヒー液ができます。
  3. 火を消すと、下のフラスコ内の気体の量が減って圧力が下がり、上にあるコーヒー液を吸い込みます。

 

カンタンに言うと、蒸気圧でお湯を移動させて抽出する装置です。

実は、「サイフォンの原理」は使われていません。

サイフォン式という名前は日本独特の呼び名なんです。

「真空吸引式」や「バキューム方式」と言う海外での名称の方がこの仕組みをよく表わしています。

 

抽出のしくみ、イメージできましたか?

本当に科学の実験みたいでしょう!?

この淹れ方をすると、どんな味になるのか気になりますよね?

 

 

味わいの特徴

 

サイフォン式で淹れた香味の特徴は、

一般的にはこのように言われます。

【サイフォン式の味の特徴】

  • 苦味が出やすい
  • スッキリとした味わい
  • 香りが良い

 

サイフォン式では、沸騰したほぼ100℃のお湯で抽出するので、

苦味と香りがしっかり強く出ます

 

また、気圧差でコーヒー抽出液を吸引するので、

ハンドドリップのように重力で落とす方法よりも、

素早くコーヒー粉とコーヒー液が引き離されます。

だから、スッキリした味わいなると考えられます。

 

また、コーヒーの香りがフラスコ内に、こもるから、

よく香るのだという意見もありますね。

 

実際の香味はどうなのかは、

あなたの舌で、お確かめください!

 

 

サイフォン式の誕生

 

さて、ここで問題です!

このなんだかレトロな「サイフォン」ですが、

誕生したのは、いつー!?

 

ヒントは「蒸気」かな?
常連客Yさん
常連客Yさん

お答えは〜?

・・・

19世紀初頭のヨーロッパです!

 

それでは、見に行ってみましょうか!

 

では出発!

 

1842年イギリス

 

はい、つきました。ここは1842年のロンドンです。

 

蒸気機関の発明、いわゆる、産業革命後、

鉱業、製鉄、紡績の発展、交通網の充実、急激に人口が増加。

生活は、鉄とガラス、新たに発明された数々の工業製品に囲まれていきました。

アメリカ・インド・中国、そして、イスラム地域(コーヒー輸入)などと交易をしていたので、物も集まりました。

 

そんな頃に、「サイフォン」は生まれました!

 

19世紀ロンドンコーヒー事情

 

 

あ、あったわ!これはコーヒーハウス

この頃でもロンドン市内に2000軒くらいあるらしいの!

労働者の方たちが、コーヒーを飲みながら、新聞や雑誌、本を読んでいるわね。

・・・あぁさみしくなったものね。

 

 

17世紀に始まり、18世紀中期に黄金時代を迎えたコーヒーハウス

様々な階級に開かれたサロンであり、ここでは情報交換や議論がなされ、多くのものが生まれました。

新聞やジャナーナリズム、政党、科学者の集まり、保険会社もまた、コーヒーハウスから生まれました。

 

その後、18世紀後期頃からコーヒーハウスは衰退していきました。

 

理由は、クラブ(集会所)などが台頭した事、新聞などが、情報源の役割をするようになったから・・・とささやかれています。

そして、さきほどの「労働者向けの新聞を読むお店」と変貌したもようです。

 

しかし、コーヒー自体が廃れたわけではなく、

この19世紀イギリスでは、食事の時に、家庭でコーヒーを飲むことが十分に浸透していたので、

国内のコーヒーの消費量は、コーヒーハウスが盛んな頃よりも、

はるかに多くなっていました。

 

そんな頃、「サイフォン」を含めた抽出器具が開発されるようになりました。

 

サイフォン式の発明者は誰?

 

\\「あれは、サイフォン式抽出器具」だわ!!!//

 

「サイフォン式」の誕生の年や発明者を明言する事はできません。

いたるところにサイフォン式の構想を持っていた方がいます。

 

しかし、本などによると、間違いないのは、

1800年から40年にかけて、イギリス、フランスなどで

「サイフォン式」を含む「蒸気圧を利用した抽出器」が開発され
人々の間に定番の抽出法として普及したという事です。

 

参考までに、「蒸気圧を利用した抽出器」の歴史年表はこちら!↓

ヴァシュー夫人(仏)ロバートナピアー氏(英)には

ご注目ください

 

 

このように抽出器開発の歴史を見ると、

コーヒー抽出の方法にも、蒸気を利用した自動化の波が来ていたようです。

 

サイフォン式の発明者

 

ここでご紹介したいサイフォンの発明者が、2名います。

  • スコットランド人の造船技師、ロバート・ナピアーさん
  • フランス人のヴァシュー夫人さん

です。彼らの「サイフォン」を見てみましょう。

 

 

ナピアーさんは「ナピアーのサイフォン」として

イギリスで人気を博し、業務用としてホテルや客船で使用されたという実績がおありです。

サイフォン式発明者として最も多く名前が挙がる方です。

 

もう一方の

ヴァシュー夫人さん、こちらはフランスの方ね。

フランス革命後のブルジョワ主導で社会を作り出してる工業化の時代よ。

彼女の「ダブル・グラス・バルーン」

現在のサイフォンの原型の一つです。
見て、このかたち!私たちの良く知るかたちですよね!

 

工業化の時代、技術の進歩のワクワクってのを感じるわね〜!

 

「サイフォン式」が醸し出すレトロでテクニカルな雰囲気の正体はこれではないでしょうか?

 

19世紀のハイテク感を
味わってたんだ〜。

 

そのシステムを、現代でも、喫茶店で楽しんでいるなんて

なんとも趣深いではないですか!

 

 

それでは、そろそろ令和の日本に時を戻しましょうか。

 

 

まとめ

 

おかえりなさい。

ぜひあなたも、サイフォン式コーヒーを

カフェドシェフで、眺めて、味わってみてください。

 

今回は、

  • サイフォン式のしくみ
  • サイフォン式の味わい
  • サイフォン式の誕生した時代
  • サイフォン式の発明者名の紹介

を、おおくりしました。

次回のコラムもよろしくね!

 

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この記事を書いた人

野々山憲子(カフェママ)

カフェドシェフ共同経営者 経理・営業を担当 パティシエ ホールスタッフ 

高校卒業後、阪神百貨店入社(現阪急阪神百貨店)。7年間婦人服売り場で勤務。その後、カフェドシェフ開店。共同経営者となる。
好奇心旺盛で人と話すのが好き、美味しいもの新しいものに目がなく、とにかく考える前にやってみるが信条。
Facebookでのインターネット販売は自分の屋号で活動中。

鹿児島県生まれ

 

保有資格等

調理師/手作りパン研究普及会製パン技能専科修了/簿記一級/着付け着装師補

参考:

  • 文庫版 ALL ABOUT COFFEE ウィリアム・H・ユーカーズ 山内秀文訳・解説 角川ソフィア文庫 Amazonへ
  • コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか 旦部幸博 ブルーバックス Amazonへ
  • ヨコから見る世界史 斎藤整 Amazonへ
  • 19世紀イギリスにおける読書施設の研究(1)コーヒー・ハウスについてー芝田正夫 j-stage
ケーキ

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