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トップ > コラム一覧 > 直火式焙煎機を扱うコツ「ダブル焙煎」とは?

みなさま、こんにちわ。カフェママの「野々山のりこ」です。

コーヒーの焙煎に使用する「直火式焙煎機」
これがとても扱いにくいのですが、
実は「コツ」があるのです。

今回は、その扱いにくい「暴れ馬、直火式焙煎機」を
扱うコツとは?
実際の焙煎の様子とはどんなかんじなのか?

これを読めばあなたもコーヒーマニア
是非コラムをごらん下さい!

直火式焙煎機の操縦のコツ

 

直火式焙煎機を操縦するコツとは

「ダブル焙煎」です。

直火式焙煎機が扱いづらい「暴れ馬」だという事は

前回お話ししました。

※前回の復習

前回のコラムでは、直火式焙煎機のメリットデメリットをお話ししました。

【直火式焙煎機のロマン】直火式焙煎機は扱いにくい

簡単に前回のコラムの内容をまとめると・・・

直火式焙煎機とは、

  • 高温の加熱によりメリハリのある独特の香味が得られる

その反面、

  • 煎りむらができやすい
  • 外が焦げやすく、中が焼けにくい

という扱いづらさがある!

・・・という事でした。

 

 

そんな暴れ馬な直火式焙煎機を操縦するには

”コツ”がほしい所ですよね!

その操縦のコツというのが、

「ダブル焙煎」なんです。

 

 

「ダブル焙煎」とは?

 

 

 

多くのお店はコーヒーをシングル焙煎」しています。

シングル焙煎とは文字通り、生豆の状態から焼き上がりまで、

豆をいっきに火から下ろすことなく、焙煎する方法です。

 

一方、当店の行う「ダブル焙煎」とは、

焙煎の途中で一度火から下ろし、再び焙煎して仕上げる方法です。

つまり、焼き上がりまで2回に分けて焙煎するのでダブル焙煎と言います。

 

ダブル焙煎の目的

↑このように「焙煎」を2度、行うのがダブル焙煎!

  • 1回目:生豆ホッパーから焙煎釜へ豆を投入、中煎りまで焼いたら、冷却層で冷ます。
  • 2回目:1回目と同様に、豆を釜へ投入し、狙った焙煎度まで焼く。

2回、ほぼ同じことを繰り返すなんて、

この2回の焙煎は、それぞれ、どういう目的でしているのでしょうか?

 

1回目の焙煎の目的

1回目の焙煎で、生豆に含まれる水分を飛ばし、焙煎する豆の含水量のばらつきをなくします。

アラビカ種のコーヒー豆は、大粒で肉厚、含水量が多いです。

そのため、2度目の焙煎でムラなく仕上げるためには、

この1回目の焙煎で、焙煎ドラム内の豆たちを、みんな同じくらいの、ごく少ない水分量に焼きそろえる必要があります。

だから、水分がだいぶとんだところで、いったん火から下ろすのです。

 

2回目の焙煎の目的

2回目の焙煎で、狙った焼き具合まで焼き上げます。

2回目の焙煎では、1回目に焼きそろえた豆たちを、もう一度同じように、

焙煎窯へ入れ、好みの焙煎度まで焼きます。

つまり、当店カフェドシェフの場合は独自に「ヨーロピアンロースト」と呼んでいる「フレンチローストからイタリアンロースト」の焙煎度まで焼き仕上げます。

 

※参考:ヨーロピアンローストについてはこちらに詳しくあります→ 【コーヒー入門】焙煎度とは?焼き具合にこだわりあり

 

ダブル焙煎のメリットとデメリット

ダブル焙煎とは直火式焙煎機にとって秘策のようでもある操縦のコツですが、

良い所もあれば、困ったところもあります。

ここまでのお話で、感づかれている方も多いとは思いますが、あらためて、まとめましょう。

メリット

一度に焙煎する豆のバラツキを避けられる

例えばの話ですが、ゴマを煎る時、強火にかけてしまうとフライパンに接してた面ばかりが焦げます。

全体に均等に火が入るように、弱火で、煎りあげますよね?むらを避け、煎り上がりの状態を同じにするためです。

当店ではコーヒーを煎るとき、一度に焙煎する豆の焼き上がり状態を均一にするために、「ダブル焙煎」をします。

 

焦げと生焼けを避けられる

ダブル焙煎を例えると、唐揚げの2度あげみたいな感じでしょうか?

唐揚げも一回であげると周りは焼けているのに、真ん中に火が入ってないことがありますよね?

コーヒー豆も、2回焙煎することで適度に水分が抜けて、中まで火が入ます。

そのため、表面だけが焦げてしまうことなく、豆の内部まで比較的、均等に焼き上がります。

 

2回焙煎することで、一粒一粒が均等に、表面だけが焦げてしまうことなく中部まで均等に、焙煎できます。

 

デメリット

コストと手間がかかる

主流のシングル焙煎に比べ、時間、光熱費、手間が倍かかります。

時間で言うと、シングル焙煎であれば約15分で仕上がりますが、30分以上かかります。

手間で言えば、同じことを2度繰り返すわけなので作業量も2倍です。

 

ダブル焙煎に向かない豆もある

気をつけたいのが、どんな豆でもダブル焙煎でおいしく仕上がるとは限りません。

肉厚で含水量の多い豆や、ニュークロップと呼ばれる収穫から間もない豆などは、ダブル焙煎に向いていますが、

逆にそうでない豆の場合など、シングル焙煎で行うべき豆は沢山あります。

この辺りは、豆の特性を見て判断する必要があります。

 

ダブル焙煎を実況します!

 

カフェドシェフの焙煎士マスターの、暴れ馬直火式焙煎機ラッキーの乗りこなしをご覧ください。

直火式焙煎機でのダブル焙煎の様子を少しでも感じ取って頂ければ幸いです。

 

マスターの焙煎

 

1回目の焙煎

予熱(1回目)

 

焙煎室ではバーナーの熱気とモーター音が響き、

直火式焙煎機ラッキーの横には、今から焙煎する生豆2.8kgが用意されています。

焙煎機のドラムは200℃に温まりました。

 

 

さぁ、焙煎を始めます!

 

豆投入(1回目)

シリンダーから生豆を投入。

機内の温度は100℃くらいまで下がり、それから、緩やかに上昇します。

170℃くらいまで上がると・・・

耳を澄まして!「バチバチ」と音が聞こえてくるはずです。

 

冷却(1回目)

バチバチ音を確認したら、豆をいっきザザーっと冷却槽に流し出します。

うちわや霧吹きなども使って、一気に人肌くらいまで、冷まします。

 

 

 

2回目の焙煎

予熱(2回目)

焙煎機のドラムが再び200℃に温めて、

 

豆投入(2回目)

先ほどの豆を1回目と同じように生豆ホッパーから投入します。

 

においを頼りに焙煎を進めます。

これは30年の焙煎歴でこその感覚。

 

 

店内外に、もくもくと蒸気が立ち込めます。

 

車道の向こうまで焙煎の香りがします。

 

 

狙いの焙煎度が近づくと、いよいよ緊張感が増してきます。

 

 

窯の中の色ツヤをスプーンで確認。

豆は焦げ茶色でブツブツと油が滲んでいます。

そして匂いは、ツンとした匂いからマイルドなにおいへと変化します。

 

 

さらに、色がブラウンになってくると数秒単位で豆の状態は変化していきます。

狙うのは、豆全体を油が覆い、ツヤツヤダークブラウンの状態。

慎重に。

 

 

 

ここぞと言う瞬間に、煎りどめ。

豆を焼くドラムの口を開けて、

豆を冷却槽に流し出します。

 

冷却(2回目)

 

冷却槽で、豆をかき回し、豆をよく風に当てます。

さらにウチワであおぎながら急速に冷却します。

豆を確実に煎り止める為に。

 

 

 

まとめ

「ダブル焙煎」とは、扱いにくい直火式焙煎機を操縦するコツです。

  • 豆を2度焼くことで、豆に含まれる水分を均一にして煎りむらを防ぎ、一度に焙煎する豆のばらつきも防ぎます。
  • デメリットは、時間・光熱費・手間が2倍かかってしまう
  • メリットは、直火式の良さであるメリハリのある独特の香味、かつ煎りむらの少ない美しいコーヒーが焼き上がります。

こうしてカフェドシェフ独自の香味のコーヒーが出来上がるのです。

 

ちなみに、カフェ・ド・シェフの焼きたてあつあつコーヒー豆は、かじると「カリッ」音がしてとても香ばしくて美味しいです。

食べてみたい方は是非言ってください。

 

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この記事を書いた人

野々山憲子(カフェママ)

カフェドシェフ共同経営者 経理・営業を担当 パティシエ ホールスタッフ 

高校卒業後、阪神百貨店入社(現阪急阪神百貨店)。7年間婦人服売り場で勤務。その後、カフェドシェフ開店。共同経営者となる。
好奇心旺盛で人と話すのが好き、美味しいもの新しいものに目がなく、とにかく考える前にやってみるが信条。
Facebookでのインターネット販売は自分の屋号で活動中。

鹿児島県生まれ

 

保有資格等

調理師/手作りパン研究普及会製パン技能専科修了/簿記一級/着付け着装師補

 

参考:

ケーキ

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