みなさん、こんにちわ!
カフェママの野々山のりこです。
香りや味が、産地によって違うの、わかりますか?
わかる方も、まだわからない方も、
今回のコラムを読めば、
どういういきさつで豆に「違い」がうまれるのか
イメージができるようになるはずです。
知った上で飲むコーヒーは、
より「違い」が際立って感じられるかも!
どうぞコラムをご覧ください。
産地の違いは香味の違い?
「産地の違い?コーヒーはコーヒーでしょ。」
といったかんじで、ピンと来ない方もいらっしゃる事でしょう。
なので、産地の異なる豆を並べてみました。(※画像は当店で扱ってない品種もあります。)
なんだか私たち人間みたいに形に個性があってかわいらしくないですか?
このように、形が様々なら、味や香りもまたしかり。
「この爽やかな酸味たまんない」
「この甘い香りにやみつきなの」
コーヒーには産地によって異なる味わいというのもがあります。
それでは、この「産地の違い」は「香味の違い」とどのように“結びつく”のでしょう?
「一粒のコーヒーのタネ」が「一杯のコーヒー」になるまでの過程の全体像を見ながら、「違い」が生まれるポイントをご紹介します。
一粒のタネから一杯のコーヒーができるまで
こちらは、「一粒のコーヒーのタネ」から、「一杯のコーヒー」までの全工程です。
- 品種・・・コーヒーノキの品種を選びます。
- 栽培・・・コーヒーノキを育てます。
- 精製・・・コーヒーの実から豆を取り出します。
- (輸送)・・・飛行機や船で運びます。
- 焙煎・・・生豆を煎ります。
- 抽出・・・コーヒーを淹れます。
この中でも特に、コーヒー豆産地が担当する1〜3は注目。まさに「産地による香味の違い」ができます。
工程を頭に入れていただいたら、順に見ていきましょう!
品種
まず、「産地の違いは香味の違い」が出る最初のポイント、「品種」です!
コーヒーの2大品種は
- アラビカ種
- カネフォラ種
これらの味の違いについご存知の方はけっこういるのではないでしょうか?
身近な例では、「アラビカ種」は当店のような自家焙煎店でよく取り扱っています。「カネフォラ種」はインスタントコーヒーでもおなじみの苦めのタイプです。
さらに、「アラビカ種」を詳しく見ていくと
- ブルボン種
- ティピカ種
- ゲイシャ種
- さらにこれらを変異や交配した品種・・・等
のように区別されていきます。品種ってたくさんあるんです。
当店の場合・・・
使用している豆で多いのは、
- ティピカ種
- ブルボン種です。
どちらもコーヒーの「原種」というタイプで、育てにくいというデメリットがある一方で、香味はとても定評があるものです。
その特徴はと言うと、
- ティピカは、香味がスムース、爽やかな酸、クリーンで繊細、中程度のコク。
- ブルボンは、やわらかい味わいで、酸とコクのバランスが良い
というのが持ち味です。
栽培環境
さぁ、次の段階です。
その品種にあった産地の「栽培環境」も、とても重要です。
南魚沼産コシヒカリが絶品とうたわれるのと同様、
パナマ産ゲイシャなんてのも、コーヒー好きの間では有名ですよね。
品種と栽培環境がガッチリあうと、その品種の特徴が引きたったすばらしいものが生まれます!
気温の低い土地で育った果物は脂肪が多い、水はけの良い土地で育った果物は味が濃い、
なんて話がコーヒーにも当てはまります。
ところで、アラビカ種のコーヒー豆は、どのような環境で育つのかイメージできます?
ご想像をお助けするため、カンタンに説明しましょう。
・春のような気温
当店客様の1人でコロンビアのコーヒー農家の方がいうには、
「年中春のようで過ごしやすい」のだそうです。
平均気温22℃くらいの高地はとてもコーヒーノキにとっても過ごしやすいのです。
世界地図でコーヒーの産地を探すと、熱帯地域に分布しているので、てっきり年中暑くてジメジメを想像してしまいますが、そうではないんですよ。
・乾季雨季がなくっちゃ
乾季終わりを告げる雨によって、コーヒーの花は一斉に開き、
その数ヶ月にはコーヒーの実をならすのだそう。
この雨は「ブロッサムシャワー」と呼ばれるんですって。
雨季乾季の長さやいつあるかは土地によりさまざまです。
年間1200ミリ〜1600ミリの雨が必要です。
・柔らかな日差し
コーヒーノキは太陽が好きですが、日差しが強すぎると「葉焼け」をおこしてしまいます。なので影を作る木を植えたりします。ただし、西日の時間に雲が発生する土地はそんなものいらなかったりも。
・栄養たっぷりの土壌
あらゆる植物同様、コーヒーノキが育って実をつけるのに必要な養分は「窒素」「リン」「カリウム」。これらが豊富な事と、水はけが大事です。コーヒー豆産地の多くは火山が近くにあり、肥沃で、よく育つようです。
このような環境でコーヒーは育つんです!
精製
3つめの重要ポイントは「精製」。
精製とは、真っ赤なコーヒーの実から種(生豆)を取り出して、乾燥させる事です。
「え?豆の取り出し方や、乾かしかたで味が変わるだって?そんなまさか~」
そのまさかですよ~!びっくりするくらい香味にあらわれます。
この「精製」の作業は、
産地、つまり国や地域や農園によってかなり異なります。
カンタンに言うと
果肉の残り具合、豆から果肉をきれいにとるための“発酵“の具合、豆の乾かし具合などが異なり、
香味の違いにつながるのです。
スペシャルティコーヒーがお好きな方は「ウォッシュド」「ナチュラル」「スマトラ」のなどの表記を見かけると思います。
これらはこの「精製」に関することばです。
これを見て「ウォッシュド」ならクリーンな味、「ナチュラル」なら果実っぽいのかな?みたいな判断ができます。
ちなみに当店は・・・
ほとんどが「ウォッシュド」です。クリーンな味わいをお楽しみください。
また、インドネシア産マンデリンは独特な味「スマトラ式」が楽しめますよ。
輸送
精製が完了して緑色の「生豆」になったら、麻袋や樽などに詰められ、世界中の焙煎所へと渡ります。
焙煎
カフェドシェフを含む焙煎所には、世界中の豆が集まってきます。
焙煎。「産地の違いは香味の違い」が生まれる工程というよりは、
その「産地の違い」を際立たせ、焙煎士の設計した味に仕上げる工程
と言うべきかもしれません。
「生豆ってみんな似てるように思えるけど同じように焙煎すれば良いの?」
・・・そうですね〜
生豆の声を聞きながら焙煎機を操作する意味では、みんな同じように。
ただ、やはり生豆といえども水分量が違うし、挙動も異なります。
それぞれの生豆の持ち味を活かすような味に調整しながら焙煎します。
これぞ焙煎士の腕の見せ所です。
抽出
いよいよ最後の段階、抽出です。
「一杯のコーヒーの味の違い」とは
「産地の違いは香味の違い」と「当店の焙煎」と「抽出」を掛け合わせたもの。
オリジナリティのあふれる一杯です。
抽出方法によって味わいは大きく違ってくるので、
いろんな抽出法で淹れたコーヒーをお試しいただけたらと思います!
ちなみに、カフェドシェフ店内(イートイン)では・・・
- サイフォン
- エスプレッソ
- ダッチコーヒー(水出し)
- ターキッシュコーヒー(煮出し)
これらの方法で抽出したコーヒーがお楽しみいただけますよ。
まとめ
「産地の違いは香味の違い」が生まれる過程である、
品種、栽培、精製、(輸送)、焙煎、抽出について、
見てみました。
産地が違いと豆の香味の違いが“結びつく”イメージを持っていただけましたか?
それぞれ豆や抽出法の詳しい話はまた別のコラムでしていきたいと思います!
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この記事を書いた人 野々山憲子(カフェママ) カフェドシェフ共同経営者 経理・営業を担当 パティシエ ホールスタッフ 高校卒業後、阪神百貨店入社(現阪急阪神百貨店)。7年間婦人服売り場で勤務。その後、カフェドシェフ開店。共同経営者となる。 鹿児島県生まれ
保有資格等 調理師/手作りパン研究普及会製パン技能専科修了/簿記一級/着付け着装師補
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参考:
コーヒーの辞典 柴田書店 (当店マスターも執筆者の1人です)
他